転職者インタビュー

調理師から営業職へ37歳のキャリアチェンジ

調理師から営業職へ、未経験の職種にキャリアチェンジをしたNさん。37歳にしてなぜチャレンジしようと思ったのか、どのようにキャリアスタンドアップを活用したのかインタビューしました。

転職のきっかけ・キャリアスタンドアップを選んだ理由

Q.前職の業務内容を教えてください。

前職は社員食堂で働いていました。小さい頃から料理が好きで、調理師専門学校に2年通い、卒業後に就職のため東京へ出てきました。東京ではフレンチからキャリアスタートして、前職の社員食堂の10年間で大手企業を受け持ち、料理長も経験しました。

Q.転職のきっかけを教えてください。

料理は好きでしたが、給与面や体力的な不安、仕事に対する熱量の違いから、「このまま続けていいのだろうか」と30代前半の時にぼんやり思った時期がありました。

Q.転職まで踏み切ったエピソード等あれば教えてください。

大手企業の社員食堂は規模が大きいので客数も多く、大人数の従業員で集団調理をしていたので、体力的に厳しいと感じていました。さまざまな従業員がいる中で、自分は「より良くしていくために努力したい」と思っていましたが、そうでない人もいました。例えば、50年以上調理を続けてきたベテラン料理長が、「仕事の基準を下げて働きたい」と話しており、それに対してマイナスな影響を受けた従業員も、周りに結構いました。それなら、職場を変えるのではなく思い切って職種を変えてやってみようと30代後半になってから思いました。
料理も結局作る人で美味しい・美味しくないが決まるので、扱う人が大事だと感じましたし、もっと人と人とのコミュニケーションを通じた仕事をやってみたいと思いました。結局、人間関係の点で転職に踏み切りました。

転職活動中は何を考え、何を意識したのか

Q.今回の転職は結果的にキャリアチェンジになったかと思います。今は営業職に従事されていらっしゃるかと思いますが、年齢の部分や、これまで積み上げてきたキャリアに対する自負心から、非常に勇気のいる選択だったかと思います。その辺の当時の心境を教えてください。

当時は「自分なら何とかやっていけるだろう」と意気揚々と新しい職場で働き始めたのを覚えています。当たり前ですが、新しいことだらけで、入社1〜2ヶ月経つと「今の自分の物差しでは通用しないことが多い」と体感しました。料理人の時は自分主体で物事が動いていたので、自分の考えに不安を感じることがなかったのですが、コミュニケーションを取り、人からのフィードバックを受け入れて自分の型にしていくことで、求められていることに対して自分を合わせていく力を学べているところに、思いきって転職した価値を感じています。

Q.転職活動で注力したことを教えてください。

キャリアアドバイザーの方が、本気で自分と向き合ってくれたことがとても大きかったです。最初は、本気で転職活動する気があるのかと問われ、正直怒りを覚えた時もありました(笑)。
ただ、冬のある日に近くのカフェまで来てくれ、1時間程お話させていただき、ここまで関わってくれる人はなかなかいないと思いました。自分自身をちゃんと見てくれて、その関わりから自分のことを引き出していただきました。
人生100年時代と言われ、これからの長い人生において、転職といったちょっとした決断ができない自分はダサいなと思い、悩んでいる自分の背中を押してくれた存在がいたことがやはり大きかったです。
あとは今までの職業柄、自分のことを文字起こしすることはやってきてこなかったので、履歴書や職務経歴書は何度もキャリアアドバイザーの方に添削していただきながら仕上げていきました。

Q.実際に転職されてみていかがでしたか。

実際に異業種で働いてみて、今後の自分にとって必要になる要素が浮き彫りになった感じです。転職してみて新たな発見があり、成長に繋がっています。

Q.転職活動が上手くいった原因を教えてください。

30代後半の未経験転職は難しいと言われながらもキャリアアドバイザーの背中押しもあり、期限を決めて集中して転職活動に取り組んだのが良かったと思います。

転職後の現在、そして今後の展望は

Q.現職の業務内容を教えてください。

現職は営業職をしています。業務内容はオンライン職場見学というものを担当させていただいておりまして、派遣の方と企業の間を取り持って面談形式かつオンラインでお話する機会をデザイン・運営しています。フリーアドレスで自分のパソコンを持って、どこでも仕事ができるようになっています。

Q.社員食堂からデスクワークと、職場環境が大きく変化したかと思いますが、変わった点を教えてください。

今までの長時間拘束のストレスから開放されています(笑)。
現職ではフレックス制やリモート制度が整えられています。周りの例ですが、子どもの体調が悪くなったので急遽出社からリモートへ切り替えるなど、個人の生活リズムに合わせた働き方が可能です。僕自信も朝活として読書するなど自分のために使える時間が増えました。
仕事とプライベートを切り分けてメリハリのある生活ができています。

Q.転職当初の目的は今の職場で実現できていますか?

そうですね。
正直なところ、未経験の異業種だったので当然ですが給与面は下がりました。給与面のところは厳しい部分があるのかなと思っていましたが、それ以上に自分に使える時間が増えたり仕事に対するストレスが減ったことの方が大きかったです。今はもっと自分にできることを増やしたいと思い、会社外でも勉強する機会を増やしています。長時間拘束がなくなったために行動できているので、トータル的に考えたら得られたものが大きかったと思います。

Q.最後に、今後キャリアチェンジを考えている人へ何か一言お願いします。

まずはやってみてほしいです。
転職を決断するのは自分なので、将来どうなりたいのか、どうしていきたいのかを根幹に、今の現状を打破する為に思い切ってポーンとやってみることです。
新しい職場に入ってみて分かることの方が多いですし、異業種へのキャリアチェンジでも、思っていたより馴染めていたことの方が多かったです。結局、ハードルを勝手に上げていたのは自分で、妄想の中で高い壁や敵に向かっていただけでした。それは、自分の想像の中でしかないので、実際に行動してみたら思いのほか高い壁はなく、寧ろいい環境だなって気付くことができました。この年齢でも転職できるのが分かりましたし、それを証明できたのではないかと思います。ぜひ異業種でも恐れずチャレンジしてみてください。

インタビューは以上です。ありがとうございました。

ありがとうございました。